情報処理推進機構(IPA)は3月30日、2025年「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を公開した。その概要は以下のとおり。

不正アクセスの届出においては、被害内容として「データの窃取・盗み見」が最も多く、次いで「不正プログラムの埋め込み」「ファイル改ざん」が続いている。これらは依然として情報漏えいや業務停止に直結する重大リスクであり、攻撃者の目的が金銭化や情報収集に集中していることが示唆される。

攻撃手法の面では、「ファイル/データ窃取」や「マルウェア設置」に加え、「脆弱性悪用」が主要な手口として継続的に確認されている。特に公開サーバーやWebアプリケーションの脆弱性を突いた侵入が多く、従来型の攻撃が依然として有効である点が特徴的である。

被害原因として最も多いのは「パッチ未適用や古いバージョンの利用」で、次いで「設定不備」「ID・パスワード管理の不備」が挙げられている。つまり、高度なゼロデイ攻撃よりも、基本的なセキュリティ対策の未徹底が侵害の主要因となっている点が重要である。

対象となるシステムでは「Webサーバー」が最も多く、次いでクライアント端末やファイルサーバーが続く。また、設置環境ではオンプレミスに加え、クラウドやホスティング環境も増加しており、攻撃対象の分散化が進んでいる。

侵入経路の観点では、VPN機器の脆弱性やリモートデスクトップの設定不備が多く確認されており、これらを起点としてランサムウェアに発展するケースが目立つ。リモートアクセス環境のセキュリティ確保が、引き続き重要な対策領域である。

レポートでは、攻撃手法自体は高度化しつつも、被害の多くは基本的な対策不足に起因していることを示している。パッチ管理、アクセス制御、設定の適正化といったベースライン対策の徹底に加え、インシデント検知・対応体制の強化が不可欠である。セキュリティエンジニアにとっては、最新脅威への対応だけでなく、「基本の徹底」が依然として最重要課題であることを再認識させる内容となっている。

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コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況(PDF)