気がつけば、このコラムも今回で250回目。期間にして10年ちょっと。我ながら、よく続いてきたものである。そんな記念すべき今回だが、イポーで過ごした旧正月のネタが19回にしてついに尽きたので、イポーの知り合いたちからいただいた、数々のお土産についてである。

 今からもう2年も前の話になるが、2024年の旧正月でイポーを訪れた際に、みんなへのお土産としてカルビーのオンラインショップで「じゃがポックル」を大量に購入し、一家族に一箱ずつ配った。すると帰国の際、多くの人からお返しにイポーの(またはマレーシアの)お土産をいただくことになった。

行きも帰りもスーツケースはお土産でいっぱい

 実はそれまで、イポーに行く際に日本からお土産を持っていったことがほとんどなかった。というのも、イポーの知り合いはあまりにも多すぎて、日本からお土産を持っていくのが数的に大変で、しかも最後に足らなくなって、誰に渡して誰に渡しそびれたかで、あとあと気まずくなるのも避けたかった。それならいっそのこと全く持っていかないほうがいいと思っていたからだった。

 しかし旧正月の今回は、イポーの親戚の人たちのほとんどが集まるということもあり、一家族に一箱ずつ配ったら何個必要になるかを何回も確認しながら数え、持っていくことに決めたのだった。

 また逆に、以前に来たときにお土産をもらったことはあった(吃貨美味探訪記 No.212(マレーシア編その42)「マレーシア食い倒れ旅15:イポーの親戚の人たちからいただいたものを日本で食べる──イポー土産」)。が、これほど多くの人からもらうのは初めてのことだった。しかも、その全てが食品関係。行きのスーツケースの中は、そのほとんどをじゃがポックルの箱が占め、帰りはいただいたお土産をいっぱいに詰め込んでいくことになった。

お土産でいっぱいのスーツケース

 常夏のマレーシアでは、現地に持っていく服はTシャツと下着、短パンがあれば十分なので、それだけではスーツケースがいっぱいにならない。行きも帰りも、お土産が大量にあるくらいがちょうどよかった。

甘いものからピリ辛のものまで

 日本に着いたら、これからイポーを思い出しながらゆっくりと味わっていこうと思っていたのだが、どれも美味く、大量にいただいたインスタントのコピを除いては、数週間で食べきってしまった。今回はその食レポもどきで進めていく。

四角餅

 まずは箱入りの「四角餅」。中国語で「餅」は日本のおもちとは異なり、クッキーのようなものを指すことが多く、例えばそのクッキーは普通話で「餅乾」(ビン ガン)、広東語では「曲奇(餅)」(クッ ケイ ベーン)となる。

 この四角餅は、その名のとおりほぼ正方形で、表面に黒ゴマまたは白ゴマがこれでもかとまぶされている。意外にほのかな甘さで、食べているとゴマがポロポロとこぼれてくる。原料は小麦粉、卵、ごま、菜種油、発酵粉(ベーキングパウダー)で、日本人にとっては馴染みのある味だった。

愛郷香餅

 食べるのにちょっと苦労したのがこれ。食べていると皮がボロボロと下に落ちてくる。中の茶色い部分が餡。パッケージほど大量に餡が入ってもいないのは御愛嬌。原材料は小麦粉、麦芽糖、ごま、油、ねぎ、砂糖。結局、餡の味をどう表現したらいいのか分からないが、やはりほのかな甘さ。

 パッケージの表側に「椰殻碳燒」とあり、日本語にすると「椰子殻の炭焼き」なのか、はたまた「椰子殻の活性炭焼き」なのかははっきりしないが、焼き上げる際に椰子殻を使っているのだろう。パッケージの裏側に「160〜180度のオーブンで30秒から1分ほど焼いて、2分ほど冷まして食べたらさらにサクサクで美味しい」と書いてあったが、さすがにこれを食べるだけのためにオーブンを使うのは面倒だし、エネルギーの無駄のような気がする。

素肉干

 これは、仏教的菜食主義の知り合いからいただいたもの(「素」は中国語で精進料理の意味)。見た目はしっとり系のビーフジャーキー。お味のほうは、肉そっくりとまではいかないが、歯ごたえというか、ちょっと噛みにくいところは似ている。主な材料にシイタケが使われているが、味も歯ごたえもシイタケっぽさはまったく感じられない。

ミニ海老ロール

 ラベルには「Bengawan Solo」というメーカー名しか書かれていないが、底のシールに「Mini Prawn Roll」(ミニ海老ロール)とあった。一つが赤ちゃんの小指ほどの大きさ。細く巻かれた皮の中に餡が入っていて(乾燥している)、材料にエビパウダーが入っているようで、エビ風味。ややピリ辛で、東南アジアっぽい味わい。ビールのつまみに良さそう。

麻花

 麻花は中国でもよく見かけるお菓子で、ねじりドーナッツのミイラ版。ポリポリというかカリカリというか、ちょっと堅い歯ごたえ。油で揚げてあるため、小さいからといって調子に乗って何個も食べたりすると、ちょっとお腹に重たい。そんなに甘くない。

鳳梨酥(パイナップルケーキ)

 台湾のお土産として定番の鳳梨酥。イポーのものは台湾のものよりも甘みが少なく、そのためパイナップルの風味が強く感じられる。中のパイナップル餡にはパイナップルの筋も入っていて、いい意味で手作り感がある。

インスタントコピ

 そして最後が、大量にいただいたインスタントのコピ。どのメーカーのものでも3 in 1(コーヒー、ミルク、砂糖)が多いのだが、これは2 in 1で、砂糖が別に入っていた。お好みで甘さを調節できるのがいい。コピについては、以前の『吃貨美味探訪記 No.154(大馬編その13) 「朝はこれを飲まなきゃ始まらない?──Kopi(コピ)」

 ついに来月17日は旧正月。残念ながら“来年”(旧暦では今はまだ年が明けていない)の旧正月はイポーに行くことができないが、“再来年”こそはまた、イポーで旧正月を過ごしたいと思っている(ちなみに2027年の旧正月初日は2月6日 *日本は時差の関係で2月7日)。次回はお土産編の後編。現地で買ったインスタントラーメンの食レポをお届けする。

関連リンク

吃貨美味探訪記 No.212(マレーシア編その42)「マレーシア食い倒れ旅15:イポーの親戚の人たちからいただいたものを日本で食べる──イポー土産」

四角餅(フェイスブック「新潮香餅舗」)

仏教的菜食主義(五葷(ごくん)とは?オリエンタルヴィーガンの実践方法を知ろう)

Bengawan Solo(公式サイト)

麻花(Wikipedia)

鳳梨酥(Wikipedia)

コピ(Wikipedia)

吃貨美味探訪記 No.154(大馬編その13)「朝はこれを飲まなきゃ始まらない?──Kopi(コピ)」

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吃貨美味探訪記一覧(No.1〜200)

佐久間賢三

昨年に続き、今年の旧正月もマレーシアのイポーで過ごす。また来年も……と思ったら、2026年の旧正月は2月17日(火)から。月の半ばは出張が入る可能性が高く、来年の旧正月にイポーに行くのはほぼ無理。とはいえ、年が明けてからも「ワンチャン行けるかも……」と往生際悪く迷っていたが、旧正月が1か月後に迫り、さすがに諦める。