前回の「イポー旧正月編18:飛行機が遅れて列車に乗り損ねた後の腹ごしらえ──カレー&ロティ・チャナイ」は、飛行機の到着が遅れたせいで、予約してあったイポー行きの列車に間に合わず、やむなく空港バスでイポーへ向かったという、“海外旅行あるある”なトラブルの話だった。
今回の“余りネタ在庫総ざらい”第3弾は、その帰り道。旧正月をイポーで過ごしたあと、今度こそ列車に乗って、イポーからクアラルンプールへ向かったときの話である。
マレーシアの列車の予約は日本からでも可能
クアラルンプールとイポーを結ぶ列車は、KTMB(マレーシア鉄道公社)のチケットサイトで日本からでも予約ができる。イポーは華人が人口の大多数を占める街で、旧正月前後は帰省ラッシュの真っただ中だ。

それにも関わらず、列車は1日5本しか走っていない(当時。2026年1月1日から6本に増える)。普段なら問題ないのだろうが、旧正月となると話は別で、年末が近づくにつれ争奪戦になること必至である。
もっとも、KTMBのサイトで列車時刻表を見ると、イポー始発のクアラルンプール(KLセントラル駅)行きは確かに1日5本だが、イポーより北を始発とし、イポーを経由してクアラルンプールへ向かう列車が他に11本もある。ところが、なぜかチケットサイトにはそれらが表示されない。なぜだ? なぜなんだ!?
そんなわけで、のんびりしていると満席になる恐れがあった。旧正月までまだ半年以上あったが、取れるものなら早めに予約を取っておこうとチケットサイトを確認すると、ネット予約が可能になるのは、乗車6カ月前の月末(まとめてその月の1か月分が予約可能になる。例:6月分の予約は前年の12月30日開始)からだった。よくよく考えてみたら、日本のJRが乗車日の1か月前からなのを考えると、ずいぶんと早い。
イポー行きは翌年1月末だったので、7月末を待ってすぐに予約(当然ながら、その時点では座席はガラガラだった)。しかし、帰国は翌2月始めのため、帰りの予約はもう1カ月待つ必要があった。
イポーからクアラルンプール、そしてクアラルンプール空港へ

2度目のイポーでの旧正月を終え、帰国当日の朝、車でイポー駅まで送ってもらった。ロビーでしばらく待ち、乗車時間になると改札が開く。メールで送られてきた電子チケットのQRコードをかざしてホームへ向かい、無事に列車に乗り込んだ。





車内は快適そのもの。午前8時40分にイポー駅を出発した列車は、途中10駅ほどで停車し、2時間半後、ほぼ定刻どおりの11時15分ごろにKLセントラル駅に到着した。


改札を抜け、広いコンコースを横切ってKLIAエクスプレスに乗り換え、クアラルンプール国際空港へ。ちなみにKLIAはKuala Lumpur International Airportの略で、フラッグ・キャリアなどが発着するメインターミナルがKLIA 1、LCC(格安航空会社)のターミナルがKLIA 2となっている。

イポーで食べられなかったインド料理をシンガポールの空港で
さて、ここまで列車の話ばかりしてきたが、ようやく本題である「食」の話に移ろう。
空港に着いたのはお昼時。空港内のレストランは総じて強気な価格設定で、迷った末に比較的リーズナブルなカレーラクサを選んだ。味はまあ、空港クオリティ。可もなく不可もなく、である。後になって、マレーシアのマクドナルドには日本にはないメニューがあると知った。次回はこのコラムのネタにするためにも空港マック、というのも悪くないかもしれない。

と、これだけでは食の話があまりにも少ない。そこで、昨年の旧正月にイポーからシンガポール経由で帰国した際に、シンガポールのチャンギ空港で食べたものをご紹介したい。
イポーは華人の街で、現地で食べるのは中華系が中心。あとはラクサやナシルマッなど、マレーシアらしい料理が多い。実は人口の約1割を占めるインド系の人たちの料理にも興味があるのだが、ロティ・チャナイ以外はまだあまり経験がない。
そんな中、空港のフードコートでマサラドーサを発見。これ幸いと注文した。

これはベジタリアン仕様で肉類は入っていない。別に好んで選んだわけではなく、たまたまその店がベジタリアン専門だっただけ。マサラドーサは南インド発祥の料理で、南インドにはベジタリアンが多い、という話をどこかで読んだ記憶がある。
日本でも何回か食べたことはある。以前、南インド料理店で生地を手でちぎってカレーやチャツネなどのソースにつけてチマチマと食べていたところ、インド人の店主に「インド人は全部混ぜて食べる」と、カレーもチャツネもマサラドーサの上にぶちまけられたことがあった。
仕方がないのでそれを食べると、あら不思議、カレーやソース単体で食べるよりも、味に深みが出て美味しくなっていた。それなら最初から混ぜて出せばいいのに……と思ったものの、もちろん口には出さなかった。
そんな経験を踏まえ、空港では最初から全部かけて食べてみた。悪くはない。ただ、コクがないというか、あっさりしすぎているというか、グルテンフリーのケーキのようにどこか物足りなかった。
やはり、空港のフードコートに多くを期待してはいけないのだろう。次回マレーシアを訪れた際には、ぜひバナナリーフカレー(バナナの葉の上にご飯やさまざまなカレーやおかず、漬物を載せた料理)など、マレーシア流の本格的なインド料理に挑戦したい。
これで、イポー旧正月編の“余りネタ在庫総ざらい”は終了。次回は、イポーの知り合いたちからいただいたお土産の話をお届けする予定である。
関連リンク
吃貨美味探訪記 No.246(マレーシア編その58)「イポー旧正月編18:飛行機が遅れて列車に乗り損ねた後の腹ごしらえ──カレー&ロティ・チャナイ」
マレーシア政府観光局「クアラルンプール国際空港(KLIA)」
吃貨美味探訪記 No.152(大馬編その12)「マレーシアで一番の大好物──Laksa(ラクサ)」
吃貨美味探訪記 No.132(大馬編その2)「マレーシアの朝食の定番──ナシルマッ」
吃貨美味探訪記 No.158(大馬編その15)「カレーとの相性が抜群なインド由来の薄いパン──Roti canai(ロティ・チャナイ)
佐久間賢三
昨年に続き、今年の旧正月もマレーシアのイポーで過ごす。また来年も……と思ったら、2026年の旧正月は2月17日(火)から。月の半ばは出張が入る可能性が高く、来年の旧正月にイポーに行くのはほぼ無理。年末も近づきつつあるなか、それでも行こうか行くまいか、未だ決められずにいる。
