前回までは2024年旧正月のイポーでの話をお伝えしてきたが、イポー最終日を迎えて帰国するまで特に何もなかったので、今回はその翌年に一気に飛び、今年2月にイポーで旧正月を過ごした時のお話である。とはいえ、除夕(大晦日)から旧正月3が日までは前年とたいして変わらない。というわけで、今回は3が日翌日の初四(広東語でチョー セイと読む)のことである。
あまりにもシンプルで当たり前すぎる朝食
この日は土曜日ということもあり、まだお正月気分。ブランチともいっていい時間に、みんなで市街地まで朝食に出かけた。この日入ったのは、いつものような食堂ではなく、珍しくオシャレっぽいカフェ。そこでついに、なぜかこれまで一度も食べたことのなかった朝食の定番の一つをいただいた。

マレーシアを初めて訪れてから30年弱、イポーの知り合いが眼の前で食べているのを見たことはあるものの、日本でも一般的な食べ物だったため、特に食べようとしなかった。また彼らも、あまりにもシンプルで当たり前すぎる朝食だからなのか、筆者に食べさせようとすることもなかった。それが、カヤトースト(咖椰多士 ガー イェー ドー スィー、多士は吐司とも書く)と温泉卵(半熟蛋 ブン ソッk ダーン)である。

カヤトーストは、2枚のパンの間にカヤジャム(パンダンと呼ばれる植物の葉で作ったジャム)が塗られたトーストである。カヤトーストだけなら、2024年の旧正月の際に初めて食べている(その時の話は吃貨美味探訪記 No.224(マレーシア編その47)「イポー旧正月編3:美味いのだけどバターたっぷりのカロリー爆弾──カヤトースト」にて)。
だが、朝食として温泉卵と一緒に食べるのは初めてだった。カヤトーストは朝食で温泉卵と一緒に食べるのが一般的なのである。食べ方は、温泉卵をカップの中に割り入れて(小皿やお椀に入れる店もある)、胡椒や醤油をお好みで混ぜる。

そこに、カヤトーストの先を卵に浸して食べるのである。スライスしたフランスパンをカフェオレに浸して食べるのと同じである。この際、カヤトーストのサクサク感も味わうために、一口ずつ先の方だけ浸して食べていく……と書いたはいいが、カップに卵が入っていると、卵に浸せるのはパンの先っちょだけである。

カヤジャムの甘み、バターの塩気、温泉卵のコク、そしてトーストのサクサク感が口の中で調和し、朝から幸せを感じる。バターのカロリーさえ気にしなければ、毎朝でもいけそうである(実際にはバター抜きも普通に頼める)。

次回、イポーに行って朝食を食べる際に、麺類一品だけでは物足りなかったら、カヤトースト&温泉卵を追加することにしよう。


関連リンク
吃貨美味探訪記 No.224(マレーシア編その47)「イポー旧正月編3:美味いのだけどバターたっぷりのカロリー爆弾──カヤトースト」
Lost World of Tambun(公式サイト)
佐久間賢三
昨年に続き、今年の旧正月もマレーシアのイポーで過ごす。また来年も……と思ったら、2026年の旧正月は2月17日(火)から。月の半ばは出張が入る可能性が高く、来年の旧正月にイポーに行くのはほぼ無理。それまでの1年間は何を楽しみに仕事をしていけばいいのかと、呆然としている。
