JPCERT/CCは10月16日、四半期レポート[2025年7月1日~2025年9月30日]を公開した。その概要は以下のとおり。
この四半期に寄せられた報告件数は2万3857件。このうちJPCERT/CCが国内外の関連する組織との調整を行った件数は3257件だった。前四半期と比較して報告件数は64%増加、調整件数は8%減少した。また、前年同期(報告件数は1万797件、調整件数は3331件)と比較すると、報告数は121%増加、調整件数は2%減少した。
カテゴリー別では、フィッシングサイトに分類されるインシデントが87.32%、スキャンに分類される、システムの弱点を探索するインシデントが4.35%を占めている。
この四半期に報告が寄せられたWebサイト改ざんの件数は319件でで、前四半期の231件から38%増加した。
Webサイト改ざんについては次のような事例を確認している。
• 事例1:偽 ECサイトに誘導する不正なコードがWebサイトに挿入された
• 事例2:正規のECサイトにWebSocketで通信するバックドアが設置された
事例1では、アクセスしたユーザーを偽ECサイトに遷移させる不正なコードがindex.phpに挿入されていた。不正なコードは訪問者のUserAgentやReferer、IPアドレスなどの情報を収集し、訪問者が検索エンジン経由でWebサイトにアクセスした場合に、偽ECサイトに誘導するようになっていた。また、robots.txtを改ざんし、ボットなどからアクセスがあった場合には403エラーを返すなどの機能が含まれていた。
事例2では、EC-CUBEサイトでクレジットカード情報の窃取を狙ったバックドアが埋め込まれていた。この事象は国内の複数のEC-CUBEサイトで確認されており、バックドアはEC-CUBEの正規ファイルに見せかけて挿入されていた。バックドアはWebSocket経由で外部サイトと通信し、受け取ったメッセージをWebページ内に埋め込む仕組みになっていた。
標的型攻撃に分類されるインシデントの件数は3件で、不審なVHDA(仮想ディスク)ファイルが添付された標的型攻撃メールの報告が複数寄せられた。VHDAファイル内にあるLNKファイルを開くと、外部からマルウェアがダウンロードされて感染する。この攻撃はマルウェアの特徴から、攻撃グループAPT-C-60が関与した攻撃の可能性がある。
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