旧正月4日目の朝。この日の夕方には、イポー発の飛行機に乗ってシンガポール経由で帰国することになっていた。日本風に言えば正月三が日が終わり、今日から仕事再開で、昨日のうちにクアラルンプールなどの自宅に帰ってしまっていた人も多かった。なので特にイベントもなく、あとは出発までのんびりするだけ〜と思っていたら、突然のハプニングが……。
オープンと同時に窓口にダッシュ
今回お世話になった一家が、総勢12人で明日朝の飛行機でクアラルンプールから日本に旅行に行くことになっていた。ところが、出発前日の朝になって、一家のお父さんのパスポートの有効期限が切れていることが発覚したのだ。

これはもうお父さんだけ居残りか……と思っていたら、これからパスポートセンターに行って、更新の申請をするというから目が点に。今からやったって間に合わないじゃん。出発は明日の朝なのだから。
ところが、マレーシアではパスポートの更新が1時間でできるのだという。日本の場合、申請から受け取りまで、今は少なくとも2週間くらいかかる。それがたった1時間でできてしまうとはどういうこと? 申請書類の確認がテキトーなのか、はたまた申請から発行までが日本よりもずっと効率的なのか……。
車に乗り、朝7時半にパスポート申請センターに着くと、8時オープンだというのにすでに入口前は長蛇の列。目算で100人以上はいたと思う。付き添いで一緒に並んでいる人もいただろうから、実際に申請する人はもっと少なかったのだろうが、いったいどれだけの人が海外に行くんだ?と呆れるほどの人数だった。
これでは今日中の申請には間に合わないのではとハラハラしていたら、最初は列の後ろに並んでいたのに、なぜかワープして列の先頭に並ぶことができ(なぜなのかよく分からない)、8時になって建物のドアが開くやいなや、ダッシュして窓口へ。こちらは単なる付き添いなのでダッシュする必要など全くなかったのだが、周りにつられてつい一緒になって走ってしまった(笑)。


それでも窓口での順番が来るまでに多少並んだが、しばらくしたら本当にパスポートの更新が終わっていた。そんなに短時間で新しいパスポートが発行できるわけはないから、以前のパスポートの有効期限だけを更新したのではないだろうか。ナゾである。
ベトナムの味をなぜかマレーシアで
無事にパスポートの更新が終わったので、パスポート申請センターからそのまま朝食に。今回食べたのはこれ。カレースープに入った腸粉である。

以前、【吃貨美味探訪記 No.162(マレーシア編その17)「ツルツルした食感が朝のお腹に優しい──腸粉」】でも紹介したように、腸粉は普通、もっと大きなかたまりで、タレをかけて食べる。だが、なぜかここでは平たいライスヌードルのように細く切られていた。

カレースープといっても、日本のようなカレーとはまたちょっと違ったあっさり味。麺の上に乗っかっている焦がしタマネギの味が香ばしく、味のアクセントになっていた。
これだけではちょっと物足りなかったので、もう一品頼むことに。いつもは料理を自分で選ぶことはないが、珍しくこの時は自分で屋台を見て回り、選んだ(といっても、筆者は「これが食べたい」と指を指しただけで、店の人にオーダーしてくれたのは知り合いだったが……)。それがこれである。
ベトナムのサンドイッチ、バインミー(bánh mì)。日本でも食べたことがあるが、本場ベトナムとはパンが違った。見た目は同じだが、味というよりパンの食感が全然違うのだ。しかし、この店のバインミーは、ベトナムのものとほぼ同じ味と食感だった。
ベトナムのバインミーのパン(そもそもbánh mìはパンという意味)は、日本では「ベトナム風のフランスパン」などと紹介されることが多いが、本番のフランスパンのように外側が固くて中がややしっとりというのではなく、皮は軽くてサクサク、中はサクサクのスカスカで食べやすい。
なぜここまでバインミーのパンにこだわるかというと、実は以前、ベトナム南部のホーチミン市に住んでいたことがあって、バインミーは好物の一つだったからである。だからどうしても、日本で食感が違うバインミーを食べたりすると、「これは違うな」と思ってしまうのである。
それはさておき、無事にパスポートも更新できたし、いつものように朝から満腹になるまで食べた。あとは、家に帰って帰国の準備をして、出発までのんびり過ごすだけである。

関連リンク
政府広報オンライン「2025年3月からパスポートのオンライン申請がさらに便利に!」
吃貨美味探訪記 No.162(マレーシア編その17)「ツルツルした食感が朝のお腹に優しい──腸粉」
佐久間賢三
昨年に続き、今年の旧正月もマレーシアのイポーで過ごす。また来年も……と思ったら、2026年の旧正月は2月17日(火)から。月の半ばは出張が入る可能性が高く、来年の旧正月にイポーに行くのはほぼ無理。それまでの1年間は何を楽しみに仕事をしていけばいいのかと、呆然としている。
