香港2日目、高校時代の同級生親子と「九龍寨城公園」(ガウ ロン ザーイ スィン ゴン ユン)で香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の舞台を再現したスポットを見学したあと、再びMTR(地下鉄)に乗って太子駅(ターイ ズィー プリンス・エドワード)へ移動した。ここで香港人の知り合いと合流し、飲茶(ヤム ツァ)の店へと向かう。本格的な香港メシの始まりだ。
香港人2人、日本人3人で頼んだ点心は10点
席に着くと、まずお茶のポットと大きなボウルが運ばれてきた。洗杯(サイ ブーイ)である。食べる前に食器類をお茶でゆすぐ、儀式のようなものである。


これは、かつて衛生状態が良くなかった時代の名残だと聞いたことがあるが、正直なところ、「レストランがちゃんと洗ってあるかあまり信用できない」という気持ちも、ゼロではないかもしれない。
オーダーは香港人の知り合いにまるごとお任せした。自分たちで頼んだとしても、ほぼ同じものを選んでいただろう。飲茶で頼む点心というのは、だいたい決まっているものだ。あとは人数によって食べられる量が変わるので、何を外すかの優先順位が多少変わってくるくらいである。
今回は香港人2人、日本人3人の計5人というわけで、頼んだ点心は以下の10種類。


まず来たのは「鮮蝦燒賣」(シン ハー シゥ マーイ 海老焼売)と「蝦餃」(ハー ガーウ 海老餃子)。飲茶のテッパンの点心である。文句のつけようがない。

「豉汁蒸鳳爪」(スィー ザップ ジン フォン ザーウ)は鶏の足、いわゆるもみじの部分を豆豉(ダゥ シー 黒大豆の発酵調味料)のタレ(豉汁)で煮込んだものだ。細かい骨に張り付いたコラーゲンを前歯でこそげ落とすようにして食べる。気持ち悪いと言って箸をつけない日本人もいるらしいが、これがなかなかうまい。

「豉汁蒸排骨」(スィー ザップ ジン パーイ グワット)は、細かくぶつ切りにした豚の骨付き肉を豆豉のタレに漬け込んで蒸し上げた一品。同じく前歯で肉を骨から削るようにして食べる。豉汁が染み込んだ豚肉の甘みが、たまらない。

「陳皮牛肉球」(ツァン ペイ アゥ ヨッ カウ)は蒸し牛肉団子。乾燥させたミカンの皮、陳皮を練り込んだ牛ひき肉を丸めて蒸し上げる、これまた定番の点心だ。牛肉のうま味の中にふわりと漂う柑橘系の風味が、妙に合う。

「蛋白蝦春巻」(ダーン バーッ ハー チョェン ギュン)は海老と卵白の揚げ春巻き。フワトロの具をサクサクの皮が包んでいる。……これは初めて食べるかもしれない。悪くない。いや、かなりいい。

「叉燒腸粉」(ツァー シウ チョェーン ファン)は、点心と主食の中間のような存在だ。本場の叉焼は甘めのタレに漬けて釜で焼くから、香ばしさとほのかな甘みがある。腸粉は米を乳液状にして蒸し上げ、湯葉のように仕上げたもの。その腸粉で叉焼を巻いてある。朝の屋台で売っている腸粉は卵とネギくらいのシンプルな具だが、飲茶の点心となると話が違う。

「蘿蔔糕」(ロー バーッ ゴウ)は大根餅。干しエビや干し肉のみじん切りを練り込んで餅状にしたものを、油で炒めてある。素朴だが、これがちゃんとうまい。

「酥皮焗叉燒包」(ソゥ ペイ ゴック ツァー シウ バーウ)は、甘く味付けした叉焼を包んだ肉まんをオーブンで焼いたもの。甘めのパイ生地で焼き上げているから外はサクサク、中はトロットロ。反則的なうまさだ。

〆のデザートは「缽仔糕(または砵仔糕)」(ブッ ザイ ゴウ)。ういろうに似た蒸し菓子で、飲茶ではお上品にアルミのカップに入って出てくるが、路上の屋台では串を2本刺して食べ歩きするやつだ。甘さが控えめで、締めにちょうどいい。
5人で食べたとはいえ、さすがにお腹いっぱい。実に10年ぶりの飲茶だったが、これだけ食べれば文句はない。堪能した。
飲茶のあとは香港人2人の案内で、「前深水埗配水庫」——100年以上前に造られた地下の水道貯水池——へと歩いて向かった。地下とはいっても小高い山の上の地下にあるため、入口にたどり着くまでにかなりの登り坂が続く。食後の運動としては、ちょうどいいのか、ちょっとキツいのか。



山を降りると、そこから遠くないところにある美荷楼(メイ ホー ラウ)というところへ向かったのだが、その話はまた次回に。
関連リンク
九龍寨城公園(香港政府観光局)
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(公式サイト)
MTR(公式サイト)
太子駅(Wikipedia)
飲茶(Wikipedia)
洗杯(Wikipedia)
焼売(Wikipedia)
蝦餃(Wikipedia)
Chicken feet(Wikipedia)
豆豉(Wikipedia)
排骨(Wikipedia)
陳皮(Wikipedia)
春巻き(Wikipedia)
腸粉(Wikipedia)
大根餅(Wikipedia)
叉焼包(Wikipedia)
砵仔糕(Wikipedia)
前深水埗配水庫(香港政府観光局)
佐久間賢三
一昨年、昨年と旧正月をマレーシアのイポーで過ごす。今年も行きたかったが、今年の旧正月は2月17日。月の半ばは出張が入ることが多く、断念。気が早いが、来年の旧正月は2月6日(土)。来年は必ずまた訪れようと、心に誓っている。
