二度目の北海道出張は、札幌の東隣にある江別市。午後からの用事だったので、その前に腹ごしらえするために駅前のラーメン店で食べたのは、耳にしたことがあるような、不思議な名前のラーメンだった。
「白い面白いラーメン」でご当地ラーメンを目指す
江別市に行ったのは11月のこと。すでに冬に入りつつあり、まだ雪は降っていなかったものの、少し肌寒くなっていた。狭く細長いラーメン店の店内はすでに暖房が入っていて、窓は結露で白く曇っていた。
頼んだのは、この店の店主がご当地ラーメンを目指して考案したという「白い面白いラーメン」。出てきたのが、こちら。

その名のとおり、白い丼に乳白色のスープと白髪ねぎ。店の壁に貼られていた雑誌記事のコピーによると、白は雪に包まれた江別の景色をイメージしているのだとか。
スープが白いのは地元の酪農場の乳製品を使っているから。とはいえ味に牛乳っぽさはなく、マイルドな優しい味わい。山盛りのねぎの下に埋もれているチャーシューも美味い。麺は江別産小麦のハルユタカを使っているそう。野菜も江別産だという。スープ、具材、麺が三位一体となって、完成度の高い味わいだった。
「ご当地ラーメン」の定義とは?
地元食材の魅力がぎゅっと詰め込まれている点を見れば、まさにご当地ラーメンといえなくもないが、そもそも「ご当地ラーメン」の定義ってなんだ?と疑問に思って検索したところ、一般社団法人 日本ラーメン協会というところが「ご当地ラーメン7つの定義」というのを制定していた。それが以下である。
1.その土地で広まった実績がある
2.特徴、特色、定義などがある
3.発祥から20年以上の歴史を持っている
4.知名度がある(他県や都内に支店を出店、百貨店催事出店歴など)
5.その土地の「食文化」や「社会背景」がある
6.応援団体が存在する
7.行政など公的機関が主体となり、そのメニュー名が設定されている
この協会では「日本ご当地ラーメン一覧」を作成していて、そこへのエントリー条件というのが、
・「7つの定義」のうち2つ以上が該当していること
・実際に提供している店舗が現存、または過去に存在していること(提供店名必須)
・推薦者はそのラーメンの提供者である、または提供者の許可を得ていること
なのだそうで、2025年時点で185種が登録されている。
それを考えると、白い面白いラーメンが江別市の「ご当地ラーメン」と認められるためには、まだ時間と認知度アップ、この後を追うラーメン店の増加が必要なようだ。
「白い」vs「面白い」裁判
ところで、この「白い面白いラーメン」というネーミングから思い出すのは、北海道銘菓の「白い恋人」の商標騒動。吉本興業が2010年にそのパロディ商品として「面白い恋人」を発売したことから、商標権侵害訴訟にまで発展した一件である。最終的には、2013年に販売を関西6府県に限ることで和解が成立している。
そしてこの「白い面白いラーメン」、店主がこの一件にひっかけて名付けたのだろうか。そうだとしたら、北海道の人なら誰もが知るであろう事件をうまくアレンジし、ラーメンのイメージにも合わせた秀逸なネーミングといえる。

関連リンク
江別市(北海道江別市公式ホームページ)
白い面白いラーメン(北海道江別市移住ポータルサイト「江別グルメ Vol.2」)
ハルユタカ(江別製粉「北海道産小麦・ライ麦製品ラインナップ」)
「白い恋人」の商標騒動(Wikipedia「面白い恋人」)
佐久間賢三
今年も旧正月をマレーシアのイポーで過ごす。来年も行くつもりでいたが、調べたら来年の旧正月は2月17日。月の半ばは出張が入ることが多く、無理やりにでも行こうかどうか、今から悩んでいるところ。
