前回「イポー旧正月編10」での一族総出の大宴会が終わり、あとはのんびり静かな日々(といっても、まだ旧正月休みは続く)。そこで今回は、現地で食べたちょっと珍しい果物を2つご紹介。どちらも日本でも名前は知られているけれど、日本で口にする機会はめったにないものだ。

大宴会の翌日は二日酔い……

 その前に、大宴会のその後を少し。多くの人が帰ったあとも飲み続け、残った人たちでカラオケ大会が始まり(しかも、家にカラオケルーム完備)、結局のままお泊まりコースに突入。そんなに飲んだ記憶はないし、たいして酔っていないつもりだったのに、翌朝はしっかり二日酔いで起きられず。

 昼前になってやっと起き、同行者の車で帰宅し、着くなりベッドに直行。午後3時半ごろに目覚めると、「これからお寺に行くよ」とのお達し。なんとか気分も回復してきたので一緒に出発した。

お寺のお祈りの仕方は、日本とはちょっと違っている
後ろから見ていただけでよく分からなかったが、厄祓いのお願いをしているところ
煙の元凶の一つ(一つどころか多数あるが)、渦巻き状の線香。何日も燃え続ける

 ところが、親戚一家が厄祓いのお願いをしている最中、お寺の中は線香や紙を燃やす煙がもうもうとたちこめ、また気分が悪くなってしまうという……。

小魚の天ぷらのような食べ物の正体は

 それはさておき、まずは、親戚の家の前にある空き地のバナナの木。上のほうにまだ青いバナナの実が生っていて、その先っぽにはラグビーボールほどの大きな花がぶら下がっている。実はこれ、花ではなく「苞(ほう)」と呼ばれる花を守るための葉で、これをめくると、その間に小さな花がぎっしりと咲いている。

分かりやすいように、花の部分を少し明るくした
食べるのは花の部分だけ。皮をめくって花を取り出す

 この花も調理すれば食べられると以前も書いたが、それから数日後、バナナの花を取って天ぷらにしたというので、実際に食べさせてもらった。

バナナ風味は全くなく、香ばしい味わい。花というより小魚の揚げ物に近かった
葉をむいた芯の部分も食べられるらしい

「甘くないバナナ」や「料理に使うバナナ」は聞いたことがあったけれど、花まで食べられるとは初耳。おそらく日本ではまずお目にかかれない。

ついにご対面、ドリアン界の王様

 お次は、好き嫌いが真っ二つに分かれる果物、ドリアン。日本にも輸入されているし、海外旅行で食べた人も多いはず。筆者もこれまでイポーで何度も口にしてきたが、今回は特別。食べたのはドリアンの最高峰品種「猫山王(英名:Musang King)」だ。

一つ(殻ごと)で4000円くらい。それを3回に分けて一人で全部いただいた

 ちなみにマレーシアのドリアンの旬は6月〜8月と11月〜1月の年に2回。以前にイポーで食べたドリアンについての原稿で「次回マレーシアに行ったら、ぜひこの猫山王を食べてみたいものである」と書いたが、ついに食べることができた。旧正月の頃はすでに旬は過ぎていたが、わざわざ冷凍保存しておいてくれたのだ。それを自然解凍してからいただいた。

 ダークチョコレートのようなコクのある甘みと、ちょっと硬めのソフトクリームみたいなクリーミーさ。これまでのドリアンも美味しかったけれど、正直、格が違った。

でも、ドリアンとお酒は実はNG……

 ところで、この猫山王を食べたのは、大宴会当日の午後。現地では「ドリアンの前後にお酒はダメ」というのが定説で、親戚からも念押しされた。しかし、すでにドリアンを食べてしまったあと。宴会で酒を飲まないなどいう選択肢はない。以前、タイで同じことをして平気だったので気にせず乾杯。結果、やっぱり何事もなかった。

 それにしても、冷凍でもこの美味しさ。となれば、旬の採れたて、木から落ちたばかりの完熟モノは一体どれほどなのか……。次はその時期を狙ってイポーに行くしかない。

おまけカット:スーパーで売られていたインスタントヌードルの数々。中央にあるカレーラクサがオススメ

関連リンク

吃貨美味探訪記 No.238(マレーシア編その54)「イポー旧正月編10:一族がそろう旧正月の大宴会は、爆竹あり、獅子舞ありで大賑わい──子豚の丸焼き」

ウィキペディア「バナナ」

ウィキペディア「Musang King」

佐久間賢三

昨年に続き、今年の旧正月もマレーシアのイポーで過ごす。また来年も……と思ったら、2026年の旧正月は2月17日(火)から。月の半ばは出張が入る可能性が高く、来年の旧正月にイポーに行くのはほぼ無理。それまでの1年間は何を楽しみに仕事をしていけばいいのかと、呆然としている。