前回のマレーシア編でお知らせしたように、今回からは「イポー旧正月編」と題して、今年の旧正月にイポーで過ごした際に食べたあれこれを取り上げていく。今回もシンガポール経由で飛行機を乗り継いでイポーへ。ただし、前回は羽田―シンガポール間はシンガポール航空、シンガポール―イポー間はLCCのスクートを利用したが、旧正月とあってか航空券が高く、やむなく全行程をLCCのスクートに。しかもスクートの日本での発着は成田空港だった。

空港でトランジット客向けの無料ツアーに参加

 便の予約をしたのは、出発の7か月も前の7月のこと。その時の予定では、成田空港を朝8時15分に発ってシンガポールに午後1時50分着。その1時間45分後の午後3時35分発のイポー行きに乗り換えて、午後4時45分にはイポーに到着するというものだった。つまり、その日のうちにイポーに着くはずだった。

 ところが、予約から3か月後にスクートからメールが届き、羽田―シンガポール間の便が時間変更となり、成田発午前9時、シンガポール着午後3時30分となり、午後3時35分シンガポール発イポー行きの便への乗り換えが不可能になってしまった。冬は偏西風の影響で、西に向かう便は夏に比べて時間がかかるからだった。夏の間に冬の便を予約するとこういうことになるという教訓である。

 振り替えられたイポー行きの便は、翌朝7時シンガポール発、午前8時25分イポー着の便。つまり、シンガポールで一夜を過ごさなくてはならなくなったわけである。これを拒否してフライトをキャンセルすることも可能だったが、旧正月をイポーで過ごすのを諦める選択はありえない。仕方なく了承した。

シンガポール入国前のターミナル内には、数多くの店舗やレストランがある

 そして当日、無事にシンガポール・チャンギ空港に到着。1年4か月前にここに来て、空港内をさんざん歩き回ったので、どこに何があるかはだいたい分かっている。まずはフードコート的な場所に行って、ラクサ(7.8シンガポールドル=約900円)で軽く腹ごしらえ。

 ココナッツミルクの濃厚な味わいにサンバル(だと思う。写真中央下の黒っぽいソース)のエビ味が利いていて、なかなか良し。店頭ではLaksa Sayangと表示されていたが、ネットで検索してもLaksa Sayangがどういうラクサなのかが分からなかった。前回チャンギ空港で食べたシンガポールラクサとほぼ同じ味だったので、これもシンガポールラクサなのだろう。

前回のチャンギ空港で、朝食に食べたシンガポールラクサ

 翌朝のイポー行きの便までは10数時間もある。そこで、空港で開催されているトランジット客向けの無料ツアーを事前にネット予約しておいた。参加したのは「Free Jewel Tour」というもので、空港に附設する施設・ジュエル(Jewel)を案内してくれる2時間半ほどのウォーキングツアーである。他にもさまざまなツアーがあり、観光バスで市内中心部の観光名所を巡るツアーもある。

 トランジット客向けなので、ツアーの受け付けはシンガポール入国前に専用ブースで行う。そこで受け付けを済ませ、午後6時開始のツアーまでまた空港内で時間を潰してからスタートとなる。

 ガイドさんの案内で、同行者10人ほどがイミグレーションを抜けてシンガポールに入国。最初にチャンギ空港の歴史などの説明(英語)を受け、ジュエルの中へ。前回は時間の関係で見逃した、ジュエルの天井から流れ落ちる巨大な滝を、ついに目にすることができた。

ジュエル内の滝。手前を走るのは、チャンギ空港の3つのターミナルを結ぶスカイトレイン

 その後、ジュエル内のあちこちを巡っていき、最後はジュエルの一番高い場所へ。すでに外は暗くなっており、ジュエル内の照明が落とされると、滝を舞台にしたショーが始まった。チャンギ空港は、建物内にショッピングセンターもあり、グルメもアクティビティも充実しており、単なる空港というよりも、空港があるレジャー施設ともいえる。

走るスカイトレインの中からも滝のショーを見ることができる
滝のショーは、上から見るも良し、下から見るも良し

 ツアーが解散すると、イミグレーションを抜けて再びターミナル内に戻り、フードコートで遅い夕食に。食べたのはナシ・ルマッ(nasi lemak)とチキン・ルンダン(chicken rendang)、それにオタッオタッ(otak-otak)。しめて11.9シンガポールドル=約1400円。

 ナシ・ルマッはこれまでこのコラムで何度か登場しているので説明不要かもしれないが、初めて読む人のために簡単に説明しておくと、ココナッツミルクで炊いたご飯にゆで卵、ピーナッツ、イカン・ビリス(ikan bilis、小魚の煮干しのようなもの)、そしてキュウリのスライスに、サンバルソースがかかった食べ物である。一般的な食堂ではバナナの葉でチマキのように包まれて出されている。

 そして写真手前に見えるのがチキン・ルンダン。これまでマレーシアで食べたことなかったので、食べてみることにした。これはマレー系の料理で、鶏肉を濃厚なソースで味付けしてあり、表現が難しい味だが、ややスパイシーで悪くない。

 奥にあるのがオタッオタッで、魚のすり身を葉っぱに包んで蒸し焼きにした、マレーシア風かまぼこ。食べるのは二度目だが、美味いのか美味くないのか、いまいちまだよく分からない。

 夕食を食べ終えると、宿泊はシンガポール空港内で。とはいっても空港内のホテルは高いので、空港ロビーの長椅子で寝ることにしていた。その時の話は次回に。

佐久間賢三

仕事が忙しいわけでもないのに、出張以外にどこにも旅行に行かない日々。マレーシアのイポーで過ごした今年の旧正月が楽しすぎて、すでに来年も行くつもり満々でいる。