帝国データバンクは10月19日、全国1328社を対象に行った、情報漏洩(人為ミスやサイバー攻撃による漏洩等を含む)、または情報漏洩の可能性がある事案の発生状況についてのアンケートの結果を公開した。その概要は以下のとおり。

●情報漏洩の発生状況

情報漏洩(人為ミスやサイバー攻撃による漏洩等を含む)、または情報漏洩の可能性がある事案の発生状況について、「発生したことがある」と回答した企業の割合は16.2%。発生時期別にみると、「1カ月以内」が1.3%、「3カ月以内」が1.1%、「半年以内」が1.4%、「1年以内」が1.7%で、直近1年以内の発生は計5.5%となった。また、「1年以上前に発生」は10.7%だった。

企業からは「メールの送信先を誤った」といった人為ミスをあげる声が複数聞かれた。一方で、「他社担当者を装ったメールを受信し、緊急だと思い込んで電話確認を行わず情報を送付してしまった」や「外部からのサイバー攻撃を受けた痕跡がある。中小企業なので対策といっても大したことはできていないのが実情」といった声も聞かれた。他方、「全く発生したことがない」企業は69.1%、「分からない」を企業は14.8%だった。

「全く発生したことがない」と回答した企業からは、「情報漏洩を防ぐための教育と設備にお金をかけている」といった声があった一方で、「情報漏洩として問題になったことがないため、どのように対策をとるべきなのかが分からない」のように、今後の対策に不安を抱く企業もみられた。

さらに、「分からない」と回答した企業からは、「コンピューターのデータ処理に関する専門家がいないため、情報漏洩があったのか、なかったのかが分からない」といった声も複数あった。

一方で、「社内規程や訓練、インシデント対応手順の整備を進めるほか、不正アクセス対策、ウイルス対策、ログ管理、二要素認証、ファイアウォール、バックアップ体制などを導入し、高いセキュリティ環境を構築している。今後も継続的な強化を通じて社会的信頼の向上を図る」のように、サイバーセキュリティ対策の強化に継続的に取り組む企業も少なくなかった。

●情報漏洩の発生経験

企業規模別に情報漏洩が「発生したことがある」と回答した企業の割合をみると、「大企業」は30.2%と、全体(16.2%)を14.0ポイント上回った。また、直近1年以内に発生した割合も、「大企業」の8.8%に対し、「中小企業」は5.0%と差がみられた。

企業規模が大きいほど情報漏洩の発生経験の割合が高い背景には、取り扱う情報量やシステム数、情報にアクセスする従業員数、取引先数の多さに加え、情報漏洩や不正アクセスなどを検知・把握する体制が整備されていることなどがあると考えられる。

一方で、「中小企業」からは、「それほど多くの情報を抱えていない」といったコメントが寄せられ、取り扱う情報量の違いが情報漏洩リスクに影響している可能性がうかがえた。しかし、「小規模企業なので、狙われる対象にもならないと思うが、昨今のサイバー攻撃のニュースを耳にすると他人事ではない気がする」のように、情報漏洩の発生経験がない企業においても警戒感が高まりつつある。

また、「発生するかどうか分からないセキュリティ問題に対して、中小企業は多くのお金をかけられず、専門担当者も置けない状況にもかかわらず、業界大手の取引先からはしっかり対策するように指導がある。重要であるなら指導だけでなく金銭的、人的な協力もしてほしい」といった声も聞かれた。

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