フォーティネットは7月30日、「サイバーセキュリティスキルギャップレポート 2026年版」を公開した。レポートでは、長期化するサイバーセキュリティのスキル不足や絶えず進化する脅威情勢に対処する中で、組織が直面している新たな問題や進行中の課題を明らかにしている。その概要は以下のとおり。

●サイバーセキュリティのスキル不足は、この分野での人的投資が十分でないことに一因があり、依然として甚大なセキュリティ侵害の主な要因になっている。

●サイバー防御担当者はAI搭載ツールを有効活用しているが、それらの先進技術の利点を最大限に引き出すにはスキルアップとリスキリングが不可欠である。

●投資が不十分ではあるものの、トップレベルのサイバーセキュリティ人材を自社に惹きつけ定着させるための積極的な取り組みが進んでいる。

■サイバーセキュリティのスキル不足

・深刻化するリスク:過去12ヵ月間に1件以上の侵害が発生したと回答した組織は86%にのぼった。また、侵害のコストを100万ドル以上とした組織は52%で、2021年の38%から増加している。侵害によるコストは北米で最も高額で、侵害一件当たりの平均コストは200万ドルに上る。

・サイバーセキュリティのスキル不足は依然最大の懸念事項:セキュリティ侵害の最大の原因として、56%のITリーダーが3年連続でサイバーセキュリティのスキル不足を挙げている。51%が上級レベルのサイバーセキュリティスキルを渇望する一方、49%はサイバーセキュリティ人材の増員について承認を得るのに苦労している。

50%の回答者が、経営幹部や役員がサイバー攻撃後に処分を受けたと答え、組織が直面する大きなリスクが明白な点を踏まえると、こうした状況は驚くべき結果ともいえる。

■AI導入のリスク

・企業でのAI導入はリスクを伴う:従業員がAIを使用することで、企業が把握しきれていないリスクが生じるが、取締役がAIの使用による潜在的リスクを「十分に認識している」と考えるリーダーは半数(50%)に過ぎない。

・新たなスキルギャップが生じる可能性:AIの導入が進んでいることから、63%が今後3年間でサイバーセキュリティチームにおけるAI監視およびガバナンスの職種に対する需要が高まると予測している。

・資格取得費用を負担する意志が上昇:従業員の資格取得に「費用を支給する意志がある」とした回答者は92%で、2025年版レポートの73%から増加しました。

・人材の発掘と育成に向けた取り組み:過小評価されているグループから人材を採用するため、92%がインターンシップ、実習制度、パートナーシップ、各種プログラムを活用している。71%は、十分に活用されていない人材プールを対象とした正式な採用目標(ターゲット)を設定していると回答している。

■サイバーセキュリティでのAI活用

・AIを活用したセキュリティツールの普及:回答者の91%は、AI対応型のサイバーセキュリティソリューションを利用または試験的に導入していると回答。また、サイバーセキュリティにAIを用いることへの疑念や不安を感じている割合は38%で、昨年のレポートの43%から減少している。

・AIは現職のIT / セキュリティ専門家にとって有益:84%は、AI搭載のセキュリティツールがIT / セキュリティチームの実効性や効率性の向上に役立っていると回答している。サイバー防御側とサイバー犯罪者が同様の技術を利用できるようになった今、これは非常に重要な点。なお、回答者の44%は最大の懸念事項として、AIを悪用したサイバーセキュリティ攻撃に対する防御を挙げている。

・スキル開発への投資:回答者の60%は、採用における最大の課題はAIの実務経験があるサイバーセキュリティ人材の確保であると指摘。現時点で、92%が今後12ヵ月間にAI関連のサイバーセキュリティ研修または認定資格への投資を予定している。

・リスキリング向けプログラムの実施:組織はAIの導入に対応するため、AIモデル開発(55%)、AIツール監視(54%)、セキュリティオートメーション(52%)など新しいスキルセットを持つスタッフを求めている。59%の組織が、AIの導入に対応したトレーニングまたはリスキリングプログラムを社内で開発している一方、52%はトレーニングやリスキリングをベンダーに外注している。

重層的なサイバーセキュリティ対策、すなわち、人、プロセス、テクノロジーを融合させた取り組みに対し、取締役会および経営陣レベルで投資を行うことが極めて重要となる。

組織は十分に活用されていない人材プールの開拓を続けると共に、必要な専門知識を習得し維持するためのトレーニングやスキル向上に投資する必要がある。そのためには、意識向上と教育、重点的トレーニングおよび認定資格の利用拡大、高度なセキュリティ技術の導入という3本柱を中心とした協調的なアプローチが求められる。

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