情報処理推進機構(IPA)は7月30日、多くの人が夏休みの長期休暇を取得する時期を迎えるにあたり、IPAが公開している長期休暇における情報セキュリティ対策について発表した。その概要は以下のとおり。
長期休暇の時期は、システム管理者が長期間不在になる等、いつもとは違う状況になりがち。このような状況でセキュリティインシデントが発生した場合は、対応に遅れが生じたり、想定していなかった事象へと発展したりすることにより、思わぬ被害が発生し、長期休暇後の業務継続に影響が及ぶ可能性がある。
このような事態とならないよう、(1)個人の利用者、(2)企業や組織の利用者、(3)企業や組織の管理者、それぞれの対象者に対して取るべき対策をまとめている。また、長期休暇に限らず、日常的に行うべき情報セキュリティ対策も公開している。
◎長期休暇における情報セキュリティ対策
◎日常における情報セキュリティ対策
【企業や組織の方々へ】
インターネットに接続された機器・装置類の脆弱性を悪用するネットワーク貫通型攻撃が相次いでいる。IPAでは、ネットワーク貫通型攻撃や、それにより不正な通信の中継点とされてしまうOperational Relay Box(ORB)化に関する注意喚起を行っている。
攻撃を受けた場合、保有情報の漏えいや改ざん、ランサムウェアへの感染に加え、ORB化により、意図せずに他組織等への攻撃に加担することにつながる。そうした事態を未然に防ぐためにも、システム構成やインターネット接点など構成把握、脆弱性対策、設定等の確認、日頃のログ監視といったサイバーセキュリティ対策に加え、BCP(事業継続計画)・BCM(事業継続マネジメント)を通じたサイバー以外も含めた危機管理体制が重要となる。
また、ネットワーク貫通型攻撃の標的となり得る機器・装置類を把握・管理するための指針として、2023年5月に経済産業省より「ASM(Attack Surface Management)導入ガイダンス」が公開されている。
以下のページも参考に、今一度、自組織のインターネットに接続された機器・装置類の確認を推奨する。
◎2023年5月29日(経済産業省):「ASM(Attack Surface Management)導入ガイダンス~外部から把握出来る情報を用いて自組織のIT資産を発見し管理する~」を取りまとめました(経済産業省)
◎2025年10月31日(IPA):VPN機器等に対するORB(Operational Relay Box)化を伴うネットワーク貫通型攻撃のおそれについて
◎2025年10月31日(IPA):家庭用ルータ・IoTルータ等、ネットワーク境界のORB(Operational Relay Box)化のおそれについて
2024年末から2025年始めには、国内企業等に対し、侵害されたIoT機器からなるIoTボットネット等を利用したとみられるDDoS攻撃が発生した。NISC(内閣サイバーセキュリティセンター。現:国家サイバー統括室(NCO))が公表している以下の注意喚起も参照し、DDoS攻撃への対策も検討のこと。
◎DDoS攻撃への対策について(注意喚起)(内閣サイバーセキュリティセンター)
自組織のIoT機器等の把握する際には、必要に応じてIPAが2016年に公表した以下の文書も参照し、SHODAN等のサービスの利用も検討のこと(記載されているサービスの仕様等が現状のものと異なる場合があるので注意)。
◎IPAテクニカルウォッチ「増加するインターネット接続機器の不適切な情報公開とその対策」
また、夏季休暇シーズンには、8月6日広島原爆記念日、8月9日長崎原爆記念日、8月15日終戦記念日、9月3日中国・ロシアの対日戦勝記念日といった安全保障に関連した記念日が含まれている。こうした戦争関連の記念日前後においては、過去にはDDoS攻撃や情報戦・認知戦が行われたこともあり、現在、中国やロシアが日本の防衛政策を新型軍国主義という戦略的なナラティブで批判していることからも、サイバー攻撃や偽情報の流布に注意が必要。
あわせて、2026年は4年に一度実施されてきたロシア極東軍管区のVOSTOK機動軍事演習が8月下旬から9月に行われる可能性があり、演習に合わせたサイバー攻撃にも警戒が必要と考えられる。
以上のような攻撃のほか、不審メールやサポート詐欺等の被害も引き続き確認されている。
最近は、社長等をかたる詐欺メールや、クラウドサービス等の認証情報の窃取を目的としたフィッシングメール等が観測されているため注意が必要。
IPAの公表している以下の情報も参考に、この機会に家族も含めて、攻撃の手口や対策について確認するとともに、不審メールを受信した場合や、サポート詐欺の被害(未遂を含む)に遭った場合には、IPAの相談窓口等を通じて情報提供してほしい。
◎社長等をかたる詐欺メールに注意!
◎インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中
◎偽セキュリティ警告(サポート詐欺)画面の閉じ方体験サイト
◎手口検証動画シリーズ
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