今回は、つい先日震災に見舞われた熊本での出張メシ。地震があったから今回は熊本にしたわけではなく、出張に訪れた順番に書き進めてきたら、今回が熊本になった次第。本文に入る前に、今回の熊本地震で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
阿蘇山の壮大な風景に圧倒される
熊本グルメといえば馬刺しやからし蓮根が真っ先に浮かぶが、それらはすでに「吃貨美味探訪記 No.195(出張地元メシ編その7) 脂の甘みと旨みに、思わず顔がニヤける──熊本県熊本市・霜降りの馬刺し」で語り尽くしたので、今回は熊本ラーメンにスポットライトを当てたい。
熊本ラーメンといえば、豚骨と鶏ガラのスープに、ニンニクが何らかの形でしれっと忍び込んでいるのが定番。東京にもチェーン店が進出して有名だが、地元・熊本にはもちろん、まだまだ知られざる名店がひしめいている。
というわけで、今回はそのうちの一軒に突撃してみた。出てきたのがこちら。

スープは見た目こそ濃厚そうなのに、口に含むと意外にあっさり。具もシンプルそのもの。豚骨ラーメン好きにはたまらない、このときは昼に食べたが、これは間違いなく酒のあとの〆要員である。次回の出張では、ほかの名店のラーメンを胃袋の許す限り制覇したい。
翌日、東京へ帰る飛行機に乗る前に、鉄道とバスを乗り継いで阿蘇山へ向かった。前回訪れたときは噴火直後で近づくことすら叶わず門前払いを食らったので、今回はリベンジである。
ちなみに、前回の阿蘇で昼食にありついたのが「阿蘇あか牛丼」。赤い牛丼、ではなく、あか牛の丼。あか牛は阿蘇育ちの和牛の一種で、赤身の多さが売り。その赤みを活かすべく表面だけさっと炙って中はレア、という贅沢な一品で、他の地域ではなかなかお目にかかれない。

話を戻すと、阿蘇山の火口近くは「これぞ火山!」と言わんばかりに噴煙が絶え間なく噴き上がっていた。火口付近の標高は約1300メートル、しかも11月下旬。出張用のスーツにコートという完全に山を舐めた格好で臨んだため、震えながらの見学となった。

火口近くの食堂で温まるべく頼んだのが、だご汁のセット。

だご汁は熊本の郷土料理で、小麦粉を練って作った平たい団子(だご)を、野菜たっぷりの味噌汁で煮込んだもの。里芋、にんじん、ごぼうがごろごろ入っていて、この寒さにはまさに救世主。もちもち熱々のだご汁をすすると、震えていた体が中からじんわりと温まってきた。
行きのバスでは景色どころではなかったが、帰りの下りでようやく余裕が生まれ、阿蘇の雄大な景色をじっくり眺めることができた。なかでも目を引いたのが、お椀をひっくり返したような形の小山。

あとで調べてみると、これは米塚(こめづか)という火山丘で、高さは約80メートル。大盛りのご飯に似ていることからその名がついたというが、阿蘇神社の主祭神・健磐龍命(たけいわたつのみこと)が収穫した米を積み上げてできた、という神話も残っているそうだ。

阿蘇山からはバスを乗り継いで阿蘇くまもと空港へ。途中、道が渋滞してまったく前に進まず、若干の冷や汗をかいたが、余裕を持って早めのバスに乗っていたおかげで事なきを得た。
搭乗前、空港内のレストランで最後の力を振り絞って食べたのが、これまた熊本名物の「太平燕」(たいぴーえん)。ルーツは中国・福建省の料理で、それが長崎経由で熊本に流れ着き、独自の進化を遂げたのだとか。ざっくり言えば春雨入りの長崎ちゃんぽんで、揚げ玉子が入っているのがお約束らしい。

というわけで、今回の熊本出張でも胃袋も足腰もフル稼働で堪能することができた。またできるだけ早く熊本を訪れたい。

関連リンク
馬刺し(Wikipedia)
からし蓮根(農林水産省「うちの郷土料理」)
「吃貨美味探訪記 No.195(出張地元メシ編その7) 脂の甘みと旨みに、思わず顔がニヤける──熊本県熊本市・霜降りの馬刺し」(セキュリティインサイト)
熊本ラーメン(くまもとラーメンナビ)
阿蘇山(阿蘇市ホームページ)
「あか牛」ってどんな牛?(熊本県畜産農業協同組合連合会)
だご汁(農林水産省「うちの郷土料理」)
米塚(熊本県公式観光サイト「もっと、もーっと!くまもっと。」)
阿蘇神社(公式サイト)
健磐龍命(Wikipedia)
阿蘇くまもと空港(公式サイト)
太平燕(熊本県公式観光サイト「もっと、もーっと!くまもっと。」)
福建省(Wikipedia)
佐久間賢三
一昨年、昨年と旧正月をマレーシアのイポーで過ごす。今年も行きたかったが、今年の旧正月は2月17日。月の半ばは出張が入ることが多く、断念。気が早いが、来年の旧正月は2月6日(土)。来年は必ずまた訪れようと、心に誓っている。
