パロアルトネットワークスは11月26日、2025年のサイバーセキュリティとAIの主要トレンドに関する見解を公表した。その概要は以下のとおり。
●単一の統合データセキュリティプラットフォームがサイバーインフラストラクチャの中心に
サイバーセキュリティの状況は、統合データセキュリティプラットフォームへとシフトし、コード開発、クラウド環境や、セキュリティオペレーションセンター全体でAIを活用した分析ができるようになり、AIによるサイバー脅威に対する防御が強化される。MSSPとVARが連携しサポートすることで、リソースを最適化し、全体的な可視性と効率性を向上させる統合セキュリティソリューションの採用に組織を導き、最終的には組織が攻撃者を凌駕することができるようになる。
●AIスタートアップよりも既存の大手組織がAI分野で大きな成功を収める
サイバーセキュリティの分野では、広範な顧客基盤とデータリソースを備えた既存の大手組織が、AIスタートアップに対して明らかに優勢になる。既存の大手組織では膨大な量の高品質データにアクセスできるため、AIモデルのパフォーマンスが向上し、競争力が高まる。新規参入企業にとって同様のデータ量にアクセスすることは難題だが、AIの進化を加速させ、共に成功を収めるために、既存の大手組織と新興企業との間でより多くのパートナーシップが提携される。
●AIの総合的な役割:セキュリティ運用における信頼性の確立、ガバナンスの遵守、リーダーシップの再構築
脅威の検出と対応のワークフローの大部分を自律的に実行することによって、SOCが進化し、AIアナリストは高度な分析と戦略的思考を必要とするIQの高いタスクに集中できるようになる。また、この移行の一環として、AIガバナンスやグローバル規制のさらなる進展を待つ中で、組織は透明性を優先的に確保し、AIシステムの意思決定プロセスを正確に追跡し、説明することが極めて重要になる。
●安全なエンタープライズブラウザーを広く採用する方針へ
消費者向けウェブブラウザーは本質的に安全性が低く、95%の組織が、すべてのデバイスにおいてブラウザーに起因するセキュリティインシデントを報告している。業務用の安全なエンタープライズブラウザーを採用することで、組織は、増大する脅威に対抗するための強力なセキュリティ対策を実施することができる。
●セキュリティのためのAIを含め、AIの電力消費への影響が注目される
AIワークロードの爆発的な増加により、大量の電力を消費するデータセンターが世界的に増加し続けていることから、サイバーセキュリティの活用も含めて、AIによるエネルギーへの影響に注目が集まる。AIのエネルギー消費の課題を軽減するために、エネルギー効率を高めるAIモデル、量子ベースのAIフレームワーク、そしてさらにはポイントソリューションのプラットフォーム化などの技術が実現するのを目の当たりにする。
●誇張された量子セキュリティの現実が明らかに
広く採用されている暗号化手法に対する量子コンピューターによる攻撃の実用化は、現段階では可能ではない。しかし、今後10年以内には実現する可能性が高く、組織は短期間で量子耐性のロードマップを準備し、潜在的な脅威に対抗するために量子耐性に関して防御策を講じる必要がある。国家が関与する脅威アクターが「とりあえず今盗んでおいて後で解読する」戦術を強めると見られ、政府の機密性の高いデータや価値の高い知的財産へのアクセスを標的とし、量子テクノロジーが進化した暁には解読しようと目論んでいる。CIOは、量子アニーリングで大きな進展があったとはいえ、軍事レベルの暗号化が破られたわけではないことを強調することで、このトピックに関する過度な期待に対処することができる。
●企業の新たな協力関係を築くダイナミックデュオ、CIOとCMO
CIOとCMOは、運用やサイバーセキュリティ、顧客体験を向上させるために、セキュリティ、規制遵守、AIガバナンスや、責任あるAIの活用について密接に協力する必要がある。両者が協力して、AI生成コンテンツのラベリング、データプライバシーなど多くの問題にうまく対処できれば、CIOとCMOは経営幹部のダイナミックデュオとして、ビジネスの成功とセキュリティに不可欠な存在となる。
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