カスペルスキーは1月25日、主要なサイバー脅威についてまとめた年次レポート「Kaspersky Security Bulletin」を発表した。その中の「Dark web threats and dark market predictions for 2024」では、サイバー犯罪コミュニティで違法サービスの中心となっているダークウェブ市場について、昨年の振り返りと新たな傾向を予測している。その概要は以下のとおり。

■2023年のダークウェブ市場における振り返り

・ランサムウェアに関するブログの投稿数が急増

ランサムウェアの攻撃者は、ハッキングに成功した企業の情報や窃取したデータを公開する場としてブログを作成する。ランサムウェアに関するブログ記事の数は、2022年には月平均で386件だったが、2023年には476件と急増し、最も多かった月は11月の634件だった。

・個人や企業のログイン情報に対する漏えいリスクの高まり

ダークウェブ市場では、情報窃取型マルウェアに関連する投稿が増加した。特に顕著だったのは、悪名高いマルウェアファミリー「RedLine Stealer」のログを提供する投稿で、2022年は月平均で370件の投稿だったが、2023年には1200件と3倍に増加した。2023年は、ダークウェブ上に無料で公開された、不正入手したユーザーデータを含むさまざまなマルウェアのログファイルの全体量が、前年比で約30%増加した。

■ 2024年のダークウェブ市場における傾向予測

・クリプトドレイナーサービスの需要が高まる

今後もこの種のマルウェアの需要が増加し、アンダーグラウンド市場でマルウェアの開発と販売を宣伝する投稿が増える。暗号資産やNFTなどのデジタル資産への継続的な関心が、こうした暗号資産を盗み取るマルウェアの拡散に拍車をかけるとみられる。

・「ローダー」形式のマルウェア提供サービスは今後も進化する

2024年はGo言語やRustのような最新のプログラミング言語で書かれたローダーが登場する可能性が高く、そのことはサイバー犯罪者が回避テクニックを強化し、初期感染ベクターの有効性を向上させるために取り組んでいることを意味する。

・マルウェアがアンチウイルスを回避できるサービス(クリプター)が増加する

ダークマーケットにはすでに、マルウェアコードを署名ベースのスキャナーで検知できないようにしてステルス性を高めるクリプターを提供するサービスがあふれており、このサービスは2024年も増加していくと予測している。

・検索連動型広告を悪用し、偽サイトを検索上位にする手口が増加

サイバー犯罪者たちはGoogleやBingの広告を利用して、マルウェアを埋め込んだランディングページが検索結果の上位に表示されるようにしている。検索エンジンの広告枠を不正に取引しているディーラーは、アンダーグラウンド市場での販売活動を拡大する可能性があり、偽広告を用いた手口は今後も増え続けていくと予測している。

・ビットコインミキサーや洗浄サービスは引き続き普及し高度化する

暗号資産の各トランザクションを複雑化して保有者の匿名性を高め、取引の追跡を困難にするミキシングや洗浄サービスは、より高度なアルゴリズムと技術を取り入れる可能性が高く、ビットコインミキサー市場にダイナミックな変化をもたらすとみている。