リクルートは3月15日、サイバーセキュリティに関する求人と転職の動向についての調査結果を公開した。その概要は以下のとおり。
『リクルートエージェント』におけるサイバーセキュリティ関連の求人数推移を分析すると、2014年を1とした際、2023年は24.3倍と大きく伸長している。サイバー攻撃への懸念の高まりから右肩上がりで推移しているが、特に2018年から2019年にかけてと、2020年以降で求人の伸びが大きくなっている。
2018年から2019年にかけての伸長の背景には、2020年に開催予定だった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(2021年に延期)があるとみられ、重要インフラを狙ったサイバーテロへの懸念が高まった中、サイバーセキュリティに関する求人が大幅に増加した。
2020年以降の求人の伸びは、新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけとなったと考えられる。感染拡大防止のため自宅などでのテレワークへの移行に伴い、VPN経由で社内システムにアクセスする機会が増えた時期で、VPN機器の脆弱性を突いたサイバー攻撃が多発。事業停止に追い込まれる事態も散見され、企業がサイバーセキュリティを強化するニーズがいっそう高まった。
一方、転職者数の伸びは2014年比で3.62倍。近年は急増しているものの、求人数の急激な伸び幅と比べると小さく、企業のサイバーセキュリティ関連人材へのニーズに転職者数が追いつかない状況が表れている。
企業が求めるスキルを備えた人材は熾烈な獲得競争となっており、即戦力の人材には市況感に応じた魅力的な年収を提示しないと採用は難しくなっている。
サイバーセキュリティを強化したい企業は、セキュリティ対策の実務経験がなくても活躍の可能性がある人を採用し、自社で育成する覚悟が求められている。セキュリティ部門での実務経験がないITエンジニアがサイバーセキュリティ対策のエンジニアへと転職する事例もある。企業は改めて人材要件を見直し、どんな人が活躍する可能性があるのか再考し、従来の採用戦略を見直すことが求められている。
サイバー攻撃対策は「守り」の領域なだけに、ものづくり志向のITエンジニアには敬遠される側面もある。企業はサイバーセキュリティ関連の仕事の魅力を高め、求職者にアピールする工夫が必要となる。
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