マカフィーは1月28日、McAfee Labsの最新調査「2026年度版 詐欺の世界」および、2025年に実施した調査で判明した事例に基づき2026年に予測される詐欺手口をまとめた「2026年のサイバーセキュリティ脅威予測」を発表した。その概要は以下のとおり。

調査によると、日本人の50%がオンライン詐欺を実際に経験または遭遇しており、1人あたり1日に平均9件の詐欺メッセージを受信している。メール、SMS、ソーシャルメディアといった複数のチャネルで詐欺が常態化しており、フィッシング、なりすまし、偽の請求やキャンペーンを装う手口が広く確認されている。

オンライン詐欺はすでに日常生活に深く浸透しており、日本人は年間平均55時間を「本物かどうかを見極めるため」に費やしている。さらに、AI生成コンテンツの普及により、詐欺を見抜く自信が低下していると感じる人も多い。特に、AIによる音声や動画の改変、精巧な文章生成が進んだことで、従来の感覚的な判断では真偽を見分けにくくなっている点が大きな課題である。

2026年に向けて顕著なのは、詐欺手口が単発的な警告や誘導から、信頼されたデジタルワークフローを模倣する多段階型へと進化している点である。クラウドストレージやアカウント通知を装った詐欺はその典型で、日常的な通知と酷似したメッセージを起点に、ログイン要求や二要素認証を装った確認、ドキュメント閲覧といった一連の流れを再現することで、利用者に疑念を抱かせにくくしている。

加えて、政府機関を装った詐欺、AIを活用した高度に個別化された求人詐欺、ディープフェイク広告を用いた投資詐欺や偽サービス誘導、長期的な関係構築を前提とした会話型詐欺など、被害の裾野は拡大している。仮想通貨や金融分野では、市場の不安定さを悪用した詐欺が今後も増加する可能性が高い。

このように詐欺は、消費者が無意識に利用しているツールや習慣に巧妙に溶け込み、見分けが極めて困難なものへと変化している。今後は、従来の分かりやすい警告サインに頼るだけでなく、複数チャネルを横断した自動検知やAI分析などの多層的な対策と、利用者自身の慎重な行動を組み合わせることが不可欠である。詐欺は「誰でも被害者になり得る」前提で捉え、過信を避ける姿勢が、2026年以降の重要な防御要素となる。

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