イポー3日目、ついに旧正月の初日を迎えた。前の晩に遅くまで起きていたため、みんな起きてくるのが遅い。他にやることもないので、前夜に撮った写真をフェイスブックに投稿していると、みんながようやく起き出してきて、遅い朝食(実際はもう正午手前だった)に行くことになった。
新年の初日は殺生を避ける
イポーは華人が人口の過半数を占めているため、旧正月は多くの食堂やレストランがお休みである。その一方で、市内は帰省客と観光客でいっぱい。そのため、開いている店はどこも朝から満席で、長蛇の列である。
そんななか、ショッピングセンターのフードコートが穴場で(つまりそれほど美味しくない)比較的空いているということで、一家8人とそこで一緒に遅い朝食をとった。

食べたのは海南鶏飯(広東語:ホーイ ナーム ガイ ファーン)、つまりチキンライスである。茹で鶏と、その茹で汁で炊いたご飯、それにチキンスープがついてくる。この店ではチキンにタレがかけられていた。
これは特に旧正月に食べる料理というわけではないので、その翌年、つまり今年の旧正月にイポーで過ごした際に、旧正月の初日に食べたものをご紹介しよう。
旧正月初日の最初の食事は肉や魚などの動物性食材を一切使わない、日本でいうところの精進料理を食べるのが一般的なのだそう。これは、仏教的な考えから新年の初日に殺生を避けるためだとか。ちなみに、精進料理は広東語で齋菜(ジャーイ チョイ)とか素食(ソウ セッ)、素菜(ソウ チョイ)などという。
というわけで、一家7人で向かったのは精進料理レストラン。じゃあ去年の新年初日にチキンライスを食べたのはなんだったのかということになるが、それほど厳密にやっていることでもないようだ。


まずは、前回のイポー旧正月編でも取り上げた「撈生(ロゥ サン)」。これは年末だけでなく、新年になってからもやるものらしい。それが終わると、メニューに書かれている料理が順番で出てきた。これらはすべて精進料理で、肉や魚っぽく見えるのは、すべて「もどき」であるが、肉っぽい食感にしてあり、味付けもしっかりしているので満足度は高い。

日本で精進料理というと、「肉類を使わず野菜ばかりだからヘルシー」などと言われたりするが、実際のところはけっこう油(もちろん植物油)が使われていて、それほどヘルシーではない気がする。それに、肉類も人間に必要な栄養素を豊富に含んでいるわけで、必ずしもアンヘルシーとは限らない。
午後は親戚のなかの長男の家に一族で集合。40人くらい来ていたのではないだろうか(それでも一族全員の半分以下)。前の晩に用意しておいたお年玉を、子供たちだけでなく、20歳を過ぎた未婚の人たちにもあげていった。他の親戚の人たちは、そんなことは関係なくいろいろな人にあげていて、筆者もいくつかお年玉をいただいた。


旧正月には、普段はクアラルンプールやシンガポールに住んでいる人たちにも会える。以前、イポーに行くたびに「旧正月が一番賑やかで楽しいから、次は旧正月に遊びに来い」と言われていた理由がよく分かった。そんなわけで、昨年に続き今年もイポーで旧正月を過ごすことにしたのだった。
佐久間賢三
昨年に続き、今年の旧正月もマレーシアのイポーで過ごす。また来年も……と思ったら、2026年の旧正月は2月17日(火)から。月の半ばは出張が入る可能性が高く、来年の旧正月にイポーに行くのはほぼ無理。それまでの1年間は何を楽しみに仕事をしていけばいいのかと、呆然としている。
