サイバーセキュリティクラウドは10月15日、2026年7月1日~9月30日を対象とした「Webアプリケーションへのサイバー攻撃検知レポート」を発表した。その概要は以下のとおり。

◎攻撃総数と推移

今四半期のサイバー攻撃の検知数は、累計で約10.7億件にのぼった。1日あたりの平均は約1165万件、1秒あたりに換算すると平均約135回の攻撃が発生している計算となり、前四半期(2026年4月〜6月)と比較して16.3%増加した。

また、1ホストあたりの1日の攻撃件数は平均約726件、最大約1334件(9月26日)となり、平均は前四半期(約627件)から約16%増加した。1ホストあたりの月間攻撃件数でも9月は約2万8253件と、これまで最多だった6月(約2万5030件)を上回り、2026年に入って最も多い水準となった。

月別に見ると、7月は約2.9億件、8月は約3.3億件、9月は約4.5億件と月を追うごとに増加しており、9月の検知数は7月の約1.6倍に達した。6月には1ホストあたりの月間攻撃件数がピークを迎えていたが、9月は月間の検知数で6月(約4.0億件)を上回り、2026年に入ってから最も多い水準に。

特に9月後半(16日〜30日)は1日平均約1674万件と高い水準が続き、9月26日には期間中最大となる約2142万件(1秒あたり約248回に相当)を記録。一方、期間中の最小値は7月13日の約770万件で、最小の日でも1秒あたり約89回の攻撃が観測された。

期間中の最大値は平均の約1.8倍に相当し、常時高水準で推移する攻撃の上に、短期間で急増する攻撃が重なる傾向が引き続き確認された。また、期間後半にかけて攻撃のベースラインそのものが切り上がっている点は、一時的なスパイクとは異なる動きとして注視が必要。

◎攻撃種別の構成比と傾向

攻撃種別の構成比では、Webスキャンが53.1%と全体の半数以上を占め、最も多い結果に。Webスキャンは脆弱性の有無や設定ファイル・認証情報の露出などを確認するための探索行為で、攻撃者がインターネット上の公開サービスを無差別に調査し、侵入可能な対象を探している状況がうかがえる。なお、検知件数には実際の侵入を伴わない探索段階のリクエストも含まれる。

次いで、SQLインジェクションが10.3%、クロスサイトスクリプティング(XSS)が6.6%、不正なUser-Agentを用いたアクセスが6.5%、ディレクトリトラバーサルが3.5%と続いた。月別の推移では、Webスキャン(7月比58.5%増)、SQLインジェクション(同79.2%増)、不正なUser-Agent(同71.2%増)がいずれも9月に大きく増加しており、全体の検知数増加を押し上げる要因になったと考えられる。

一方、PHPUnitを狙った攻撃は7月の約1719万件から9月には約579万件へと約66%減少しており、特定のソフトウェアを狙った攻撃は時期によって増減する傾向が見られた。攻撃の主流が探索行為と自動化された攻撃にある状況は変わっておらず、多層的な防御と継続的な監視が求められる。

◎攻撃元国の傾向

2026年7月〜9月における攻撃元国は、1位がアメリカ(約4.6億件、42.6%)、2位が日本(約1.5億件、13.6%)、3位がロシア(約7,918万件、7.4%)、4位がフランス(約4,626万件、4.3%)、5位が中国(約4,325万件、4.0%)となった。

前年同期(2025年7月〜9月)と比較すると、上位国の顔ぶれに変化が見られた。特にロシア(11位→3位、約9.0倍)、ウクライナ(17位→9位、約5.5倍)が大きく順位を上げたほか、イギリス(10位→8位、約2.1倍)、ルーマニア(13位→10位、約1.9倍)も上位に入った。一方、フランス(3位→4位、約1.1倍)やドイツ(4位→6位、約1.4倍)は増加幅が小さく、順位を下げた。アメリカ(約1.9倍)と日本(約3.5倍)は前年と同じく1位・2位を維持した。

なお、前四半期に上位へ急浮上したイタリアは、今四半期は37位まで順位を下げた。少数の送信元から高頻度に攻撃が行われていたと考えられる前四半期の傾向が収束したことを示唆しており、攻撃元の分散化とあわせて、攻撃インフラが短期間で切り替えられている状況がうかがえる。

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